一度話を整理してみようか ~担当のダイマとは何か~
おひさしぶりです。ながさわです。
気がつけば雨がちな季節になっていて、
時間が経つのが早いなぁ、と思っています。
さて、この前某所で十時愛梨のお話をさせてもらいました。
こんなスライドを使って。
先週やってたWWDC(Appleの技術者向けのイベント)のパロディなんですが、
「十時愛梨のプロデュースは終わってなんかない」と言い放てた点は、
自分としては満足でした。
ところで、色々な方のお話やその前の総選挙期間中に様々なダイマを見て、
そして、WWDCの基調講演を過去10年分くらいを見て思ったことがあります。
ちょっと整理のために書いてみようと思います。
- 響くダイマと響かないダイマ
総選挙期間中のダイマを眺めていて一番気になったのはここです。
いや、私個人に響いたか、という話じゃなくて、
同じ子を取り上げているのに、伸びるツイートと伸びないツイートがある。
そしてRTした人を詳しく見ていくと、担当内だけで回ってるものと、
担当外にもリーチしているものがある。
そういう差があったんです。
何が違ったかと言えば2点に集約されるかと思います。つまり、
・大量にあるダイマの中で埋もれていない
・何を伝えたいのかがハッキリしている
これかな、と思います。
- 大量にあるダイマの中で埋もれていない
ダイマを作る、というとき、一般的なワークフローはこんな感じかな、と思います。
- 担当の良い点を洗い出す
- それがわかりやすく表現されているエピソードを探す
- 解説をはさみつつ、書き連ねる
実はこのワークフロー、重大な問題を抱えています。
何だかわかりますか?
同じ問題は「町おこしグルメ*1」にも起きています。
例えば「地元の良いところをアピールするために弁当を作ろう」と企画したとします。
地元の食材をふんだんに使って、全部詰め込んで完成したとします。
これが幸運なことにデパートに置いてもらえたとします。
どうなるでしょうか?
ただの幕の内弁当にしかならないんですよね。
なぜか。
だって、弁当を開発した地元の人にとっては、自分たちの自慢の食材を並べて、
最高にエモいお弁当を作ったはずなんです。
でも、全部詰め込んでしまうと、白米におかずがたくさんになって、
パッと見では、ありふれた幕の内弁当になってしまうんです。
そして、「地元」というフィールドを離れて、デパートという場所に置かれる。
他の見た目の似た弁当と一緒に並ぶわけです。
もちろん食べてみると超おいしいんですが、なかなか手に取られない。
良いところ全部取りするよりも、例えば地元の郷土料理1個をドンと据えたほうが、
見栄えがするし埋もれなかったかもしれないですよね。
はい、アイドルも同じです。
シンデレラは頑張り屋だし、良い子でかわいくてエモいんです。
リアルアイドルだったら素行不良とかで辞める子がいるかも、ですが、
シンデレラガールズは183人全員が頑張り屋で良い子でかわいくてエモいはずです。
そこだけは間違いない。
裏を返せば「頑張り屋で良い子でかわいくてエモい」というのは、
183人が並んだ中では大きなアピールポイントじゃない、ということなんです。
多少の差はあれど、みんな「頑張り屋で良い子でかわいくてエモい」はずなので。
なので、他の子と 比べたときに、自分の担当の立ち位置を把握すること、
何がユニークな点なのか確認しましょう、ということです。
- そのそも総選挙って何だ?
ここで敢えてミリオンライブのTHE@TER BOOST! と比較してみます。
どちらも投票ではあるのもの「演劇のキャストを選ぶ」という趣旨から
シンデレラガール総選挙とは大きな違いがあります。すなわち、
- 投票によって得られるもの
THE@TER BOOST! :
→狙った役と出番がもらえる
総選挙:
→総選挙曲のセンター(※ただしどんな曲かわからない)
→モバマスでSR[シンデレラガール]が追加される(※恒常)
→アニバイベントの上位報酬になる(※アイプロだからしんどい)
→シンデレラの階段を昇ったというエモさ(※超漠然としている)
- 主な投票動機
THE@TER BOOST! :
→役にあっていそうかどうか
総選挙:
→担当している。もしくは推している
→なんとなく盛り上がっている
→(ボイス未実装の場合)声を聞きたい。鼓膜を実装したい
票の集計のタイミングがよくクローズアップされますが、
そもそもの趣旨からして、違いが大きいわけです。
THE@TER BOOST! には 「新入生 ビーチバレーの名門校に入門してきた超新星!」
とか書いてありますが、シンデレラガール総選挙には、
「アイドルの中のアイドル」としか書かれていないんです*2
シンデレラガール総選挙は、何を選ぶ選挙なのか、実はわからないんです。
もっと言ってしまえば、順位すら何を示している順位なのかわからないんです。
だから「ボイス選挙じゃない」だとか逆に「人気投票じゃない」だとか、
色々な意見が出てくるわけです。
これがポイントだと思っています。
もちろん、例えば第6回の楓さんのように、人気もあって上位の常連だから、
そろそろ楓さんに…みたいな流れはありますが、
基本的にシンデレラガール総選挙は明確な目標がない。
だからこそ、「第7回だから菜々さん」というキャッチコピーがヒットした、
そう思うんです。
なので、第8回シンデレラガール総選挙を制するのは、
「第8回が何を決める総選挙なのか、そのアトモスフィアを作った担当」
だと思います。
そして順位が伸びる子は、
「第8回を通じて何を実現するのか、担当内でコンセンサスが取れた子」
だと思います。
「順位を上げる」というだけではだめです。順位は数字でしかないので。
例えば第7回ではPa2位以下が混戦になっていて、
中間Pa5位の喜多日菜子が逆転して最終でPa35位に、
一方、中間Pa3位の城ヶ崎美嘉は最終でPa6位に後退しましたが、
喜多日菜子には「ボイスを獲りにいく」という旗があった点も大きかったのでは、
と思います(もちろん、日菜子Pの活動量が素晴らしかったことも背景にあります)
ちなみにシンデレラガール総選挙(というよりシンデレラガールズのコンセプト)が、
AKB48に倣っていることは周知のとおりですが、
AKB48の総選挙とシンデレラガール総選挙にも若干の違いがあるらしく、
(※リアルアイドル疎いから、適当なことを書きます)
例えば、元AKBでシンデレラ入りした佐藤亜美菜さんは、
AKB48で通常のシングル選抜に選ばれることがなく、総選挙で選抜されたものの、
肝心のPVでは「歌パートでもワンショットは23フレームしかなかった
(1秒30フレームなので、1秒にも満たないということ)*3」ということも。
一方のシンデレラガール総選挙は、特にボイス未実装の場合には、総選挙曲のほか、
その後のライブへの登場や、他の楽曲にも顔を出す可能性が出てくるわけで、
コンスタントに上位に入ることよりも、新たに属性3位以内に入るほうが、
相対的に得られるものが大きい状況にあります。
裏を返せば、すでにボイスが付いていて、ある程度出番がある子にとっては、
1位以外を取るメリットが薄いんですね。
だから、人気投票になりきらないんだと思います*4。
もっと、ちなみに言うと、AKBのライバルには乃木坂46がいますが、
乃木坂は「投票で演劇の配役を決める」ということをやっています。
こちらは公演日ごとに毎日毎回投票する、ある意味リアルタイム集計なので、
ミリオンのTHE@TER BOOST! に通じる点があるかもしれません。
- 何を伝えたいのかハッキリしたダイマを
さて、余談を挟みましたが、実はもう一つ重要な点があります。
それは実際にダイマを作るにあたって、誰を対象にするのか、という点です。
浮動票を狙えとか、新規を狙えとか色々と言われていますが、
新規を狙うと言っているのに「この子は実は…」みたいな論法を使うケース、
その逆で、もうそれ周知だろ、っていうことを「この子実は…」と書くケース、
実はよく見ました。
名前を覚えてもらいたいのか、それとも、一般的なイメージを崩したいのか、
ダイマで何を成し遂げようとしているのかをクリアにすることは重要です。
そして、これを考えるためには、ここまで長々と書いてきた2点、すなわち
- 担当がどの点で特徴的なのか把握する
- 総選挙で何を目指すのか
これが効いてくるわけです。
- じゃあ、十時愛梨でどうするか
話を十時愛梨に戻します。
私は十時愛梨に関して、こう考えました。
- 十時愛梨は初代シンデレラガールなので、これ以上総選挙でやることは無い、と思われているのではないか
- 十時愛梨は出番もあってそれなりに認知もされているはずだし、おおむねポジティブなイメージを持たれていると思う
- 十時愛梨は巨乳や脱衣のイメージがあるが、「プリンセス」、つまり、ちょっと特別な存在感も推しておきたい
なので十時愛梨を紹介することよりも、まず
「第8回総選挙では本気を出す」、これを宣言することが大切かな、と思いました。
そして、元々Apple風の言い回しは好きだったので、せっかくなので、
「アップルパイ・プリンセス」に掛けてApple風に仕上げてみました。
十時愛梨は今からでもプロデュースしがいのある子だし、
— ながさわ There's something in the Airi (@nagasawa_p) May 27, 2018
まだまだ伸びる子なんです。
そんなことを考えながらまとめてみました。 pic.twitter.com/JvGTY59bI8
作ってから気づきましたが、Apple製品って持ってるだけで特別な気分になりますが、
担当するだけでちょっと特別な気分になります。
だから、そんな特別な存在感ともうまくマッチしたかな、と思います。
ダイマといわれると、文や絵が上手くならなきゃ、となりがちですが、
むしろアーキテクチャ。それが大切だ、と思う次第です。
これからも精進していこうと思いますので宜しくお願いいたします。