志希PむけにPROUST EFFECTに出てくる「GPCR」を説明してみる
にゃっほい。長沢です。
時は流れて、一ノ瀬志希の2周めのシングル
「PROUST EFFECT」
が世に放たれたわけですが。
前作に比べますと専門用語も少なく、アトモスフィアを楽しむ曲かなー、
という感じで、科学の出番もねえな、と思っていました。
敢えて挙げるとすると
・トップノート、ミドルノート、ラストノート
→香水の香りを時系列順に分けて述べる時に使うことば。
味覚に「最初あっさりだけど後から辛さがくる担々麺」みたいな表現があるのと同じ。
・イリスの香り
→香水の原料の中で最も高いといわれる「アイリス」のこと。
日本語で言えばあやめ。あやめ殿ー!!!!!
と、とくに難しくないのですが、なぜか冒頭に出てくるのが一番むずかしい。
それが
GPCR
おそらくググったところで出てくるのWikipediaもよくわからないと思うんですよ。
「共役」が読めないかも知れません。「きょうやく」と読みます。
細かい話をし始めると、大学の生物の講義まるっと一本分の
ボリュームになってしまうのですが、
とりあえずWikipediaの「種類」という項目を見てみてください。
「アドレナリン受容体」「ドーパミン受容体」「ヒスタミン受容体」
なんかどっかで聞いたことのある名前がありませんか?
そうなんです、GPCRは知らなくても、
「ドーパミン受容体」とか「ヒスタミン受容体」はGPCRなんです。
は? って思った方もいるかも知れないので少しだけ解説します。
GPCRというのは受容体を「かたち」で分類したときのグループのひとつで、
一方、「ドーパミン受容体」とか「ヒスタミン受容体」というのは、
「受容体と結合しやすいもの」で分類したグループです。
同じお皿でも、スープ皿があったりサラダボウルがあったりしますが、
「皿」っていうくくり方がGPCR、「スープ皿とかサラダボウル」が
「ドーパミン受容体」とか「ヒスタミン受容体」に対応してるような、
そんなイメージで理解して頂ければ、と思いますがいかがでしょうか。
(※すっごいざっくりした説明です)
まあ実は受容体にはGCPRじゃない受容体もあったりするんですが、
「皿」じゃなくて「せいろ」とか「茶碗」があったりするようなもんです。
まとめると…
身体の中GPCRだらけだから、痕を付けるってどのGPCRにだよ?!
という話になるのかな、と思います。
せめて何と結合するのかくらい特定してよーって。
ですが。
実は何と結合するのかわからない受容体って、結構あるんです。
そんな受容体のことを「オーファン受容体」と言います。
オーファン、というのは「孤児」という意味で、
結合する物質が見つからない様子を孤児に例えているわけです。
ファンファンのファンではない。
なぜそのような状況になったのかと言えば、ゲノム技術の進歩が背景にあります。
今から15年前の2003年に「ヒトゲノム計画」が完了して、
人間のDNAはデータ化されています。
ただし。
データにこそなったものの、実はそれを利用するには
「データを読み解く」という作業が必要なのです。
この部分について、京都大学が公開している「ヒトゲノムマップ」では、
次のようなたとえで説明されています。
ヒトゲノム(暗号集)の全塩基配列が明らかになりました。しかし、遺伝子の数やその働きはまだ全てはわかっていません。例えるならば、30億文字からなる古文書(ヒトゲノム)を手に入れたにもかかわらず、その意味についてはほとんどわかっていないというのが現在の状態です。
えらく話がとっ散らかってしまった・・・。
まあつまりだな、キミが一ノ瀬志希に付けられた痕は、
どこにあるかわからないけど、いつの間にか付けられてしまっているってことだよ。
一生たいせつに抱えて生きていくといいよ。
・・・びっくりするくらい雑な締めですが、まあこんなところで。
あと全然関係ないけど、イントロが名古屋の地下鉄来そうだよね。